経営者は「未来」を観て給与を決める
前回は、自己申告で給与を決める制度を思いついた背景を書きましたが、
ただ単に、自己申告にするだけではうまくいかないと思っていました。
そこで、自己申告に「一工夫」を加えたのです。
その工夫とは、給与の意思決定に「経営者の感覚」を取り入れることでした。
人事制度に携わる方なら分かってくださると思いますが、
多くの経営者さんは、人事制度によって決定した給与額に修正を加えます。
人事担当者は、その行為を否定的に見ることが多いのですが、
私の経験上、人事制度を経て決まった給与額よりも、
経営者さんが修正した給与額の方が妥当な場合が多いのです。
なぜかというと、人事制度は「過去」の評価で給与を決めますが、
経営者さんは「未来」を観て給与を決めるからです。
経営者は、その社員さんの将来の伸びしろや、
将来の事業展開における希少性などを感覚によって総合的に判断して、
給与額を決めるのです。
だから、過去の実績や画一的な評価基準によって決められた給与額が
経営者さんからすると「的外れ」に映るのです。
未来への「投資」という視点で給与を決める
自己申告で給与を決めるだけではなく、
「未来志向」で給与を決める経営者の感覚を仕組みにしたのが、
生きがいラボの「自己申告型給与制度」です。
自己申告型給与制度では、給与を「投資」と位置づけています。
「投資」という言葉には、さまざまな意味を持たせているのですが、
それは次回にしたいと思います。