人事制度の未来を語る

日本の未来を明るくするために、人事制度コンサルタントである私に何ができるかを探求したいと思います。

人事評価で点数をつけることがイヤだった

10期目を迎えるにあたって

 

生きがいラボも、この4月で10期目を迎えます。

 

はてなブログをせっかく始めたので、

何回かにわたって、現在の「ノーレイティング型人事制度」に至った道について

書いていきたいと思います。

 

 

生きがいラボを立ち上げた理由は、

社員さんに点数をつけることがない人事制度を世に広めたいという想いからでした。

 

社員さんに点数をつけない人事制度のフレームワークを考え出したのは、

2005年ごろだったと思います。

 

そのフレームワークをだんだんと具体的にしていって、

自分なりに「よし、いける!」という感覚を持つようになり、

本格的に広めていきたくて2010年4月1日に生きがいラボ株式会社をつくりました。

 

その頃は、今のような「ノーレイティング」という言葉もなくて、

呼び方をいろいろ工夫していました。

 

評価と給与を分離した人事制度」や「点数をつけない人事制度」など・・・

 

2012年になって、人事マネジメントという人事系の月刊誌の編集者さんが

ブログやサイトをご覧いただいて、

社員さんに点数をつけない人事制度のことを連載させていただきました。

 

その時の編集者さんが、「今までとまったく逆の発想ですね」とおっしゃっていただき、

逆発想の人事制度』と呼ぶようにしました。

 

今では、「ノーレイティング」という言葉も人事の世界で定着しつつあるので、

2017年ごろから「ノーレイティング型人事制度」と呼ぶようになりました。

 

欧米企業の「ノーレイティング」とはまったく別に、独自で開発していったのですが、

説明しやすいので乗っからせてもらいました!

 

 

点数をつけない人事制度を考えた理由

 

私が、なぜ点数をつけない人事制度を考案したのかというと、

最初はただ単純に、人に点数をつけることがイヤだったからです。

 

すごく言い方は悪いのですが、点数をつける人事制度は、

 

よい評価(点数)をとりたければ、組織が定めた評価基準に従え!

 

という風に私には映ったのです。

 

 

しかし、人事制度について書かれているどんな本を読んでも、

どんな人事コンサルタントセミナーを受けても、

 

人事制度で社員さんに点数をつけることは当たり前だったので、

違和感を持ちながらも、社員さんに点数をつける人事制度を設計していました。

 

 

日に日に大きくなる違和感

 

しかし、違和感は日に日に大きくなっていきました。

 

「人に点数をつけるのって、すごく失礼なことじゃないの?」

「その前に、完全に客観的な点数をつけることができるの?」

「点数をつけられて、人はモチベーションが上がるの?」

「お金のために働くって、幸せな働き方なの?」

「点数をつける人事制度が、仕事の喜びを奪ってるんじゃないの?」

 

 

そのころ、エドワード・デシさんの自己決定理論や、

ミハイ・チクセントミハイさんのフロー理論などの心理学を学んだり、

アルフィ・コーンさんの「報酬主義をこえて」を読んだりして、

 

やっぱり点数をつけるべきではない」という結論に至りました。

 

そして、「世の中にないんだったら自分でつくってみよう!」ということで、

点数をつけない人事制度を模索し始めました。

 

ただ、これがけっこう難題で、

どうやって給与を決めるの?」という大きな壁が現れてきました。

 

この大きな壁について、

点数をつけないで給与を決める方法を自分なりに編み出していくのですが、

それは次の投稿にしたいと思います。