人事制度の未来を語る

日本の未来を明るくするために、人事制度コンサルタントである私に何ができるかを探求したいと思います。

「自分で給与額を決める」という体験

自分で給与を決める制度

 

社員さんに点数づけをしないノーレイティング型人事制度のなかで、

 

年功的な給与決定ではなく、

自分で給与額を決める」という制度にしようと考えたのは、

 

生きがいラボを設立してから3年目ぐらいだったと思います。

ようやく業績も軌道に乗ってきた頃です。

 

 

会社を設立して分かったこと

 

会社を設立すると、すべてを自分で決めることになります。

もちろん、役員報酬も自分で決めることになります。

 

基本的に、役員報酬株主総会での決議が必要ですし、

月々でコロコロと報酬額を変えると損金不算入になってしまうので、

株主総会の時期に決定したら、1年間は同じ額にすることになります。

 

1年間の売上高を予測して、

適正利益を出せるような役員報酬額を設定していくのですが、

これがけっこう難しいのです。

 

会社設立1年目は、売上も見込めなかったので、

役員報酬としてはほとんどもらいませんでした。

 

ただ、家計としては支出もあるので、

家計の資金繰りと会社の資金繰りの両方をシミュレーションして、

ギリギリ生活を営める額の役員報酬を設定しました。

 

2期目からは、ある程度の売上高も見込めるようになってきたので、

会社が利益を出せるような役員報酬額を検討しました。

 

 

毎期毎期、役員報酬を決めるのは悩ましいテーマではありますが、

 

会社を設立し、

自分で自分の給与額を決める体験をしてみて分かったことは、

 

自分が受け取る給与額を決めるためには、

自分がどれぐらいの「価値を生み出せるか」を考えざるを得ない

 

ということです。

 

自分が生み出す価値に見合う給与額にしなければ、

事業を長期的に継続することができなくなるからです。

 

 

自分で決めるから受け入れることができる

 

 自分が生み出す価値としっかりと向き合い、

それに見合う給与額を自分で決めたならば、

 

そこに不満を持つ理由はなくなります

 

もし、自分にとって満足のいく額でなかったとしても、

それを受け入れて進んでいくしかないからです。

 

この感覚は何かというと、

自分という「事業」を経営している「経営者」の感覚です。

 

そこには、「やらされ感」などはまったく存在しません。

すべては自分で決めたことだからです。

 

うまくいかなかったときには、

自分の責任だと受け入れて、素直に反省することができます。

 

そして、うまくいったときには、

言葉では表せない「充実感」「達成感」を味わうことができます。 

 

 

私が、ノーレイティング型人事制度で

自己申告によって給与を決める給与制度にしようと考えたのは、

 

自分の人生を経営している実感を味わってもらうことで、

仕事のなかで「生きがい」を感じてもらいたいからです。

 

しかし、ただ単に給与を自己申告にしただけでは、

うまくいかないだろうとも思っていました。

 

そこで、基本的には自己申告で給与を決めるとしても、

一工夫することにしました。

 

その工夫については、次回にしたいと思います。